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第1部】中小企業の事業継承の現状と課題【9が爆発し、経営権争いに発展し、結局法定相続分によって等しく分割せざるを得なくなりました。会社経営を協力してやっていけなくなり、会社を3つに分割することになりました。このように子供が複数いる場合に、後継者を誰にするかを明確にせず、株式の生前贈与や遺言書の作成をしないのは最も良くないことです。後継者を誰にするか決め、これを会社の内外に認知させるのは経営者の責任です。3人の中で経営者としての能力が一番高い者を後継者と決め、できるだけ早く後継者に株式を生前贈与し、遺言書の作成等を行って経営権を確保できるようにしておくことが肝心です。この過程で、後継者に指名されなかった相続人が独立すると言い出したり、不満を爆発させたりすることもあります。しかし、これを恐れて問題の先送りをしても、実際に相続が発生した時点で問題が表面化し、より複雑化・泥沼化するだけです。後継者以外の相続人の選択肢としては次のように3つのパターンが考えられます。①会社に残って新社長に協力していく、②独立して自らも経営者として別会社を経営するが、あくまでも本体会社の協力会社として経営する、③場合によってはライバルとして完全に独立する。後継者以外の相続人の選択肢会社に残って協力する協力会社として独立する完全に独立する図表6■ 後継者を誰にするかは現経営者が早期に決める■ 後継者以外の相続人の選択肢

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