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 社会福祉法は、昭和26年に社会福祉事業法として成立し、平成12年に社会福祉法に改正されました。ただ、その中核をなす「社会福祉法人」制度については、当初とその仕組みをほとんど変えることなく、現在に至っていました。 しかし、社会福祉法等の一部を改正する法律が、平成28年3月31日に成立し、即日公布されたことによって、平成29年4月以降、「社会福祉法人」の制度は激変することになります。 特に社会福祉法人の高度な公益性を徹底するため、「法人統治(ガバナンス)」の確立、「運営の透明性と情報開示(ディスクロージャー)」、新たな「財務規律」への対応が求められるようになります。 このような法の要請に対して法人運営の実務では、次の知識の理解が欠かせません。 ・法人統治(ガバナンス)−評議員、理事等の法人の機関の役割と責任 ・運営の透明性と情報開示−計算書類等の作成・監査・承認の手続と情報の公開 ・財務規律−適正かつ公正な支出管理と社会福祉充実計画の作成・実施 そこで、本書は、社会福祉法人の経営者や実務担当者、行政関係者を対象に、この新制度における機関の役割・法人運営に関する基本的な知識の習得と実務の中で直面する疑問点の解決に役立てていただくことを目的とした構成としました。 具体的には、まず第1章で改正された社会福祉法の概要について、その改正の経緯を含めてポイントを解説しています。次に第2章で社会福祉法人の目的と設立について簡潔に解説しています。また、この章のⅢで社会福祉法人が行う社会福祉事業、公益事業及び収益事業についても触れています。 そして、本書の中心である第3章では、新しい制度における社会福祉法人の機関について、機関ごとに役割と責任を詳細に解説し、運営の実務に必要な知識を習得できるようにしています。特に大きく変わった各機関の任期については、この章のⅢにおいて事例を踏まえて詳しく解説しています。 続く第4章では新たな社会福祉法人の運営の透明性と情報開示について大きく変わった決算手続を中心に解説しています。 さらに第5章では新たに設けられた社会福祉法人の財務規律である「適正かつ公正な支出管理」と「社会福祉充実計画」について、そのポイントに触れています。 第6章から第8章では、大幅に改正された社会福祉法人の「定款の変更」、「解散及び清算」及び「合併」について解説しています。はじめに

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