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第Ⅰ章第Ⅰ章のねらい「飲食業の経営」と「飲食店の経営」は、100%イコールではありません。本書では、その中に飲食店の経営も含む、飲食業共通のマネジメント方法を取り上げます。古来、「衣食住」と言われるように、飲食業は生活基盤産業であり、まず無くなることはありません。今日においても飲食業は、産業分類の中では「外食産業」という名称で、その立ち位置をしっかり確保しています。「飲食」にはトレンドがあり、時代とともに移り変わっています。そのような状況を踏まえて、本章では第1節「飲食業界の俯瞰」として、大きく飲食業の歴史的推移と近時の動向を分析しています。第2節では、「飲食業の経営理念」を取り上げています。他の業種と同様、飲食業においても、マネジメント手法や技術活用、多様な業態展開等を見ると、新しい顧客価値の提供等に関して、大手外食が強みを持ち、業界を牽引していることは間違いありません。しかしその一方で、「オンリーワン店舗」というビジネスコンセプトのもと、個店ベースの店舗が顧客から強く支持されていることもまた事実です。その理由は、これらの個店が経営理念を背景に、独自性のある店舗経営を行っていることが考えられます。ブレない経営を行うために必要な「飲食業の経営理念」をこの節では取り上げています。他業種と比較して、飲食業経営の大きな特徴は何かといえば、「単一日」で経営を完結させることが挙げられます。この「単一日」の経営サイクルを回していくにはコツがあります。その点を第3節「循環型経営とデイリーチェック」で分析しています。本章の章末には、各種の経営指標の最新データを掲載しています。これからの飲食業経営は、さまざまな業界データに基づいて、自社の経営戦略を考える「データベース経営」が不可欠といえます。そこで「市場規模」や「業種別業態別の分析」、そして「地域別分析」等のデータを紹介しています。飲食業に特徴的な傾向を見るために「開業件数と廃業件数の実態」を踏まえつつ、経営状況を見る各種の指標分析を掲載しています。なお次頁図は、この第Ⅰ章で取り上げる「飲食業の経営」にとって重要な指標の俯瞰図です。これらをそのまま「経営ダッシュボード」化することによって、迅速な意思決定が可能となります。1日を1サイクルとする飲食業経営を的確に行うために、この「経営ダッシュボード」を使って会社の状況を即座に把握することが必要になります。飲食業の経営

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