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 平成20 年12 月に公益法人改革関連三法に基づく新しい公益法人制度がスタートしましたが、平成25 年11 月末日をもって旧民法法人からの移行申請期限が終了し、現在はさらなる制度の定着が進められているところです。 公益法人の会計についても、公益法人制度改革に伴い、平成20 年4月に新たな会計基準が設けられましたが、さらに内閣府の「公益法人の会計に関する研究会」において新制度における課題の検討が重ねられています。また、法人税、消費税などの税制についても、新制度に対応する改正が毎年行われています。 新しい公益法人制度では、公益認定の申請や定期報告に関してかなり厳格な会計処理を求められますが、それは株式会社に比べても難解なものとなっています。 本書は、公益法人の経営者や実務担当者を対象に、この新制度における会計・税務に関する基本的な知識の習得と日常業務の中で直面する疑問点の解決に役立てていただくことを目的とし、さらに公益法人の定期報告や移行法人の公益目的支出計画実施報告書における財務上の留意点にも配慮したものとなっています。 具体的には、まず第1章で公益法人制度の概要について、続く第2章で公益法人会計基準等による「適正な会計処理」の概要について簡潔に解説しています。 そして、本書の中心である第3章では、日常の具体的な会計処理を、勘定科目ごとに豊富な仕訳例を交えて解説し、さらに公益法人会計基準の特徴である資産と財源の関係についてもわかりやすく解説しています。 続く第4章では決算、第5章で予算について、公益法人会計基準での財務諸表や収支予算書等を作成するための手順とポイントに触れています。さらに今回の改訂で新たに設けた第6章で、定期報告書類等の作成に関する注意点を解説しています。 最後に第7章では、公益法人に関する主要な税務(法人税、消費税、源泉所得税等)について詳しく解説しています。 本書が、公益法人における法令及び会計基準等に準拠した適正な会計実務・税務の一助となり、ひいては新しい公益法人制度の発展、民による公益の実現に多少なりとも寄与することができれば、これに勝る喜びはありません。 最後に、本書の編集にご尽力いただいたTKC出版の中村秀樹氏に、心からお礼を申し上げる次第です。 平成28年1月吉日は じ め に田中正明 

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