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 ただし、一部の債券について、以下のような状況が生じた場合又は生ずると合理的に見込まれる場合には、その債券を保有し続けることによる損失又は不利益を回避するため、一部の満期保有目的の債券を他の保有目的区分に振り替えたり、償還期限前に売却しても、残りの満期保有目的の債券について、満期まで保有する意思を変更したものとしないので、これらの債券を売買目的有価証券又はその他有価証券へ振り替える必要はありません(実務指針〈1〉・Q3)。 a.債券の発行者の信用状態の著しい悪化 b.税法上の優遇措置の廃止 c.重要な合併又は事業譲渡に伴うポートフォリオの変更 d.法令の改正又は規制の廃止 e.監督官庁の規制・指導 f.自己資本比率等を算定する上で使用するリスクウェイトの変更 g.その他、予期できなかった売却又は保有目的の変更をせざるを得ない、保有者  に起因しない事象の発生ⅲ)償却原価法 満期保有目的の債券を、債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得価額と債券金額との差額が金利の調整と認められるときは、その債券の償還期限までその差額を償却して配分する方法です(会計基準・注9)。 配分方法は、原則として利息法によりますが、継続適用を条件として、簡便法である「定額法」を採用することができます。仕訳例[額面金額]1,000万円 [取得価額]9,914,000円 [表面利率]年1.0%[取得]平成28年4月1日 [利払期]3月末 [償還期]平成37年3月31日 ★平成29年3月31日の貸借対照表価額 ① 定額法 (1,000万円−9,914,000円)÷9年=9,555円(円未満切捨て) 9,914,000円+9,555円=9,923,555円 (借方)投資有価証券 9,555 (貸方)受取利息 9,55573第3章 日常の会計処理のポイント

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