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欧米諸国と比較してわが国の高齢化の特徴は、①高齢化の進行が早いこと(例えば、高齢化率7%から14%への所要年数は、フランスの114年に対し、日本の要した年数はわずか24年)、②高齢化率が高いこと、③老年人口の中でも後期高齢者の増加が著しいことがあげられます。平成25年国民生活基礎調査によると、世帯総数は5,011万世帯、1世帯当たりの平均世帯人員は2.51人となっています。世帯構造別にみると、65歳以上の者のみで構成するか、またはこれに18歳未満の未婚の者が加わった高齢者世帯は1,161万世帯であり、全世帯に占める割合は23.2%となっています。わが国の高齢化の推移を見ると、昭和45年に65歳以上の人口比率が7.0%以上を占める「高齢化社会」となり、平成7年に14.0%以上の「高齢社会」となり、21.0%以上の「超高齢社会」を迎えたのは平成22年のことです。さらに、平均寿命の諸外国との比較では、国によりデータの作成時期などが異なるので厳密な比較はできませんが、日本は男女とも世界トップクラスの長寿国となっています。また、世帯主が65歳以上の世帯に占める世帯主75歳以上世帯の割合も増加傾向にあります。世帯主が65歳以上の一般世帯の推計は、平成22年の1,620万世帯から平成47年の2,021万世帯へと401万世帯増加し、世帯主が75歳以上の一般世帯数は平成22年の731万世帯から平成47年の1,174万世帯へと443万世帯増加します。このため、世帯主が65歳以上の世帯全体に占める割合も平成22年の45.1%から平成47(2035)年に58.1%へと増大し、世帯の高齢化は一層進むことになります。これらの結果から、世帯の中に75歳以上の人がいる割合が非常に高く、そこでは何らかの介護を必要とする人がいる可能性が高いことを意味します。しかし、その状況において家族介護に期待できるかといえばそうとは言い切れないでしょう。さらにこれまで以上に老老世帯や独居高齢者世帯が増加しますので、訪問サービスの需要や住まいそのものもサービス付きの集合住宅等に転居する世帯が増加することも容易に想像できます。この流れは、団塊の世代が75歳以上となる2025(平成37)年までに急激に進み、その後もこの傾向は続いていくことを示すものです。そういう中にあって地域包括ケアシステムは、在宅での生活継続の限界点を高め、住み慣れた地域で最後まで生活できるようにするものですが、介護サービスのあり方や内容は人口構成や社会の状況に併せて変わっていくものと思われます。5第1章 介護事業の経営(2) 高齢者等の世帯状況の推移̶̶2035年に世帯主65歳以上が58.1%へ

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