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このような現状において、第1章では介護業界の生成の背景及び、今後の成長発展とその課題を含めた介護業界の事業特性と実態、さらには利用者のニーズ、そして国としてどのように介護保険制度を持続的な制度とするのか、行政の動向と課題を整理しています。介護保険が生成してきた背景・経緯を理解することで、国・地方公共団体の高齢者介護に対する基本的な考え方が把握できます。今後の方向性についても予測でき、介護事業者としての経営戦略・経営計画の策定に大きなプラスとなるものと考えます。また、介護保険法の下で提供される介護サービス事業は、いわゆる制度ビジネスともいえます。そこでは、さまざまな関連法規によって事業者の質等を担保するとともに、介護保険事業所の収入は公定価格である介護報酬によるため事業所の最大収入はほぼ決まってしまいます。最新の介護報酬改定と介護サービス別の経営対応策を、ポイントを絞って解説しています。これら介護保険制度とその事業について、全体を俯瞰して理解してもらうことが本章のねらいです。平成12年4月1日に介護保険制度が施行されてから平成27年4月で15年が経過しました。認定者数は、平成12年度末の256万人から平成26年度末の594万人へと約2.3倍に増加し、かつサービス受給者数も平成12年度の184万人から平成25年度の479万人へと約2.6倍に増加しています。また、要介護者等に介護サービスを提供する事業者数は平成12年10月1日現在80,026件から平成23年10月1日現在150,317件(介護予防サービス事業所を除く)と約1.9倍になっています。さらに、平成26年度の人口、1億2,708.3万人のうち65歳以上は3,300万人と26.0%を占め、介護保険制度がスタートした平成12年度(17.4%)に比べ、8.6ポイント増加しています。今後もこの傾向は続き、とりわけ、より介護が必要なケースが多くなる75歳以上の人口が増えていくことになります。2第1章のねらい

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