sample9262_57151
24/34

属するかを整理する能力もしくは技術が、リーガルマインドの中身ということができる。税理士の力量は税務調査で発揮されるといわれる。税務調査は納税者の申告の適否をチェックし、課税処分のための情報、もしくは証拠を収集する行政作用である。したがって、税理士の力量は税務調査の立会いの場面で如実に表れる。税理士が税務調査の立会いにおいてリーガルマインドを発揮することは、税務調査を法の支配の下に置くことを意味する。その意味を具体的に確認し、税務調査でリーガルマインドがいかに大きな力を持つかを以下で具体的に理解しよう。筆者は拙著『リーガルマインド租税法(第四版)』一八三頁以下(成文堂、二〇一三年)において、次のように税務調査とリーガルマインドについて述べた。「ここに頭のめっぽうきれる税理士X(以下、Xという。)がいる。彼の顧問先のW社に税務調査があった。Xは顧問税理士としてその調査に立ち会うことになった。担当調査官Y(以下、Yという。)は、若いが所管税務署内でも論客との評判が高い。このYが調査過程でW社の税務処理について否認するとし、修正申告を慫■■慂した。この見解に対してXは論理的と思われる反論をした。ここでは、両者の主張は論理的に筋が通ってはいるようであるが法的主張とは言えないことを前提としておく。そうすると、両者とも理論家として自己の主張を延々と続けるが平行線をたどることになり、ついには感情的に■■■四 税理士の足腰はリーガルマインドにより強くなる!6

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る