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(数字の美しさも含め)や、計算の正確性とスピードが求められた。ところが、それらの能力はコンピュータの出現にこの論理的な考え方は経営指導や租税以外の他の税理士の職務にも展開できる能力である。私たちは学校教育の始まりの小学校時代からよく暗記の訓練を受けてきた。勉強することは暗記することと思い違いするほど、暗記を学生時代から強いられてきた。暗記力がある者が学生時代の成績が優れていると評価された。税理士試験も例外ではない。演習問題の模範解答を丸暗記して試験に臨むことが合格への近道とされる。このように暗記教育の洗礼を受けた私たちは、自分の頭で考える習慣をつける機会を逸してきたといってよい。ところで、リーガルマインドとは法的思考と訳すことができるが、その意義は端的にいうと暗記ではなく自分の頭で考えることにある。それも法的に考えることである。租税法を学ぶ意義は、この自分の頭で法的に考える力を養うことにある。すなわち、「物事を法的に筋道を立てて考え的確に判断する能力を養い、法的なものの考え方、いわゆるリーガル・マインド(Legal こと」注⑴が、税理士が租税法を学ぶ目的である。税理士に求められる能力は時代とともに変遷してきている。一昔前の税理士には美しい会計帳簿を作成する能力より大きな価値を持たなくなった。たとえば、所得税の確定申告書も国税庁のサイトに接続するだけで、いとも簡単に美しい申告書が作成できるようになってしまった。そうすると、現在の税理士に求められる能力は何か。それは、暗記や計算力とは異質の、まさに問題解決のためMnd)を身につける二 リーガルマインドとは?2i

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