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※「実現可能性の高い」「抜本的な」の詳細については、TKC出版刊『金融機関から高評価を得た経営改善計画書事例集Ⅱ』P150以下を参照。対象企業の自己査定区分要管理先計画策定がもたらす効果要注意先へランクアップ要注意先へランクアップ計画期間計画の内容計画終了後の見込み実抜計画3年(5年も可)業績見込みが十分に厳しい正常先合実計画合実計画(ごうじつ計画:合理的で実現可能性の高い計画) 合実計画は、金融検査マニュアルの中で「実抜計画が要管理先を対象としているのに対し、合実計画は破綻懸念先を対象としている」と記載されている。中小・零細企業は、大企業と比較して経営改善に多くの時間を要するという理由で「合実計画」を「実抜計画」とみなしてよいとされている。破綻懸念先5年以内(進捗状況が計画通りなら5~10年でも可)実現可能性が高い正常先(自力での再生ができれば要注意先でも可)Ⅰ 鈴木瓦製造株式会社7〈実抜計画と合実計画〉実抜計画(じつばつ計画:実現可能性の高い抜本的な計画) 実抜計画の詳細は、金融庁が「主要行向け・中小地域金融機関向けの総合的な監督指針」の中で表記している。説明で、実抜計画に基づく経営再建が開始されていれば「貸出条件緩和債権」=(不良債権)に認定しないとしている。 この計画期間が概ね3年としているが、中小・零細企業では5年が許容されている。3年後(5年後)には債務超過が解消し、事業規模に見合った必要資金が借り入れできるような、通常状態に回復することを想定している。実抜計画と合実計画の違いする。同社との契約が成立すれば、毎年7,000万円の売上増加に繋がり、FCFとして1,500万円の増加が図れる。よって上記②の500万円の増加+1,500万円+800万円(既存計画のCF)となり、合計2,800万円の償還財源を確保することができる。要償還債務を44,000万円とすると44,000万円÷2,800万円≒16年での完済が可能となる。 以上のことから策定した経営改善計画が合実計画として認められ取引金融機関各行の合意を得ることができた。 では、本経営改善計画書の蓋然性評価と返済金額再考合意へ向けた実際上の金融機関との交渉経緯を見てみよう。

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