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らすると、販売はやはり難しかった。大和谷社長は、開発の成果を何とか世に出したいと日夜頭を悩ませることになる。作業員のおじさんが防寒着の下にタオルを巻いていたのだ。おじさんに聞いてみると「これが温かいんや、マフラーの代わりになるしな。それに汚れたら洗濯機で洗うこともできしかし、ここで問題が勃発。タオルで1000円というのはあまりにも高く、市場性かそんな時、ふと、ある光景に目がとまった。季節は冬まっただ中。そこは工事現場で、まっさ」と言うではないか。大和谷社長は手を打った。 「マフラーだったら3000円の値段を付けても売れるはず。だから、これを『臭わないタオル』で作れば十分売れる可能性はある」と。早速、タオルの染めを研究し、織り込みもマフラーのように質感のあるパイル織りを採用。名前はタオル地のマフラーなので「たふら」とした。カラーは工事現場のおじさんの一言   13第1章 ニコイチ商法

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