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第❶章近江商人が持っていたといわれる理念「しまつして、きばる」を体現した、2つのものを1つ(ニコイチ)にすることで新しいものを生み出す商法。 「しまつ」とは倹約に励んで無駄なことをやめ、支出を抑えて経済性を高めることを言う。「きばる」とは近江商人の最も優れた特質である勤勉さのことをいう。大坂生まれの井原西鶴も著書『日本永代蔵』で「商売は計画性と無駄を省く合理性が大事」としまつの重要性を説いている。このしまつの習慣から、関西では戦前戦後の物のない時代であっても、廃車や故障車のパーツを2台分集めて1台にして使うなど、ニコイチが盛んにおこなわれていた。これが関西発祥のヒット商品を生み出す発想のきっかけとなっている。たとえば、自動改札は「改札機+磁気乗車券」、回転寿司は「寿司の皿+ビール工場のコンベヤ」、インスタントラーメンは「ラーメン+天ぷら」、カッターナイフは「ナイフ+板チョコ」、シャープペンシルは「鉛筆+スクリュー」。2つを1つにしてみるだけなので「まずニコイチで考えてみよう!」と企業も試みやすく、ポピュラーな商法といえる。さかの組み合わせで客に「見たことないわ〜」と感動を与えること。❶定義❷解説❸狙い:従来の製品やサービスに別のアイデアを加えることで付加価値を生み出し、ま❹手段:常に「なんかニコイチにできるもん無いん?」と鼻を利かす。❺実践難易度:★    

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