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会議を指します。借入金のある企業が複数の金融機関に、返済期限延長などの条件緩和等の支援を依頼する場合、各金融機関に対して、公平に同じ時間、同じ場所で、その申請内容を聞いてもらうために開催します。この会議では、借り手企業が今後の返済計画や返済条件等について説明をして、各行の出席者は、その内容をよく確認した上で、自行に持ち帰り、後日、対応を明らかにすることになります。「なぜ金融機関から返済を求められている、最も弱い立場であるはずの借り手企業が主催者となるのだろう」と、疑問を持たれる方がおられるものと思います。実は、この会議を開催するということは、借り手企業が、今後の会社再建や業務を軌道に乗せるための計画を示して金融機関に協力をお願いすることで、その借り手のメリットが大きいからです。一方、金融機関にとっても、このバンクミーティングはありがたいものです。各金融機関にとって、その企業が立ち直って、かつてのように返済を継続し、さらに発展してくれることを望むからです。ほかの金融機関の対応がわからないところで、自行だけで支援するという判断はなかなかリスクが大きくできません。バンクミーティングは、その企業の資金繰り状況、返済見通し、また、ほかの金融機関の動向等を、総合的、客観的に可視化できる機会であり、金融庁から実行を求められている「リレーションシップバンキング」の方針にもかない、金融機関としても大変ありがたい会議といえます。そこで本書では、バンクミーティングを開催しようとする過程で出てくる曖昧な概念を明確にしつつ、典型的なバンクミーティングの手順や進行方法も示しています。第1章では、「バンクミーティングとは何か」として、その基本的な枠組みを説明しており、第2章は、中小企業金融円滑化法による返済猶予が実施された以後の金融庁施策のなかで、バンクミーティングの必要性が高まってきた背景を解説し、第3章は、「バンク

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