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リーマン・ショック以後、日本経済は長期間低迷を続け、多くの中小企業が金融機関からの借入金の返済が困難となるなかで、金融円滑化法による返済猶予や、条件変更が行われました。平成21年12月から25年3月までの3年4カ月の期間に、中小企業の債務は企業間信用から金融機関に集積されました。債務を抱えた中小企業は、金融機関や税理士などの認定支援機関等と相談しながら経営改善計画を早急に作成し、持続可能性の高い返済を行う努力をすることが要請されています。そしてその過程で、利害がぶつかり合う複数の金融機関と返済調整を了解してもらう場として、バンクミーティングの開催が必要となっています。かつてのメインバンクは、窮境にある取引企業の借入返済を無理なく返済できるように各金融機関の利害を調整してくれたものでしたが、今日の金融機関にはその調整機能がなくなってしまいました。バンクミーティングの機能は、地域経済活性化支援機構や中小企業再生支援協議会等にシフトしています。しかし、今日の中小企業債務案件は多数にのぼり、限られた人数のこの機構や協議会では、とても処理できなくなっています。とはいうものの、バンクミーティングについては、借り手企業はもとより、地域金融機関、認定支援機関など当事者となるべき関係者の間にも、まだまだ、その必要性や役割は認識されておらず、その手引書すら出版されていません。そこで「バンクミーティグとは何か」というイメージを、借り手企業、地域金融機関、認定支援機関等の方々に共有してもらい、おそれることなく取り組んでいただくことを念願して本書をまとめた次第です。バンクミーティングとは、複数の金融機関から借入をしている企業が主催者となって、その取引先金融機関が一堂に会して行われるはじめに

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