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書化された再生策を、参加した各金融機関が、自行に持ち帰って各金融機関の本部・審査部から承認を取って、再生支援策としてレベルアップしていきます。実質、メイン銀行の機能が各金融機関になくなり、地域経済活性化支援機構や中小企業再生支援協議会の処理件数では再生を求める40万件超の中小企業には「焼け石に水」である現実を考えれば、このバンクミーティングの機能をフルに発揮しなければ、「返済猶予先への正常返済の付与」という当面の目的地には到達できません。借入金融機関が一行しかない中小企業を除けば、このバンクミーティングは再生支援に向けて「一里塚」といえると思います。そして第2回・第3回とバンクミーティングは続き、各金融機関の新しい返済方式の契約の締結や金利交渉、また効果的なモニタリング交渉などが待っています。バンクミーティングをステップとして、借り手企業が正常先になること、自社の一層の発展や地元からの雇用を拡大すること、地域活性化に貢献することなど、目的に向かって邁進していただきたいと願っています。さらには、このバンクミーティングが今後の中小企業の経営改善計画を中心にした情報開示資料の第三者証明機関にまで高まることを期待しています。 このような発展プロセスをたどるために、バンクミーティングによってできた金融機関とのパイプが、自社の成長の大きなはしご役になってもらいたいとも思っています。中小企業は地域の機関車役であり、このバンクミーティングの開催を支援する税理士などの認定支援機関は、地域に密着した高い知見の持ち主です。また、金融機関は地域の数少ない大企業であり、地域のビジネスインフラを提供する運命共同体の一員です。本書がこれらの方々に相乗効果が生まれるきっかけとなり、本書が地域活性化に貢献することを心から祈念して、筆を置くことにいたします。最後までお読みいただき、ありがとうございました。 ■■

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