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第■章バンクミーティングとは何か 最近のバンクミーティングの案件は、返済猶予や条件緩和をすでに受けている借り手企業に対する支援策や、無理ない返済のスタートに関する内容です。金融機関の債務者区分でいえば、「要注意先」ないしは「要管理先」、または「破綻懸念先」以下に該当する企業であり、これらの企業に対して、金融機関としては他行庫と足並みを揃えて対応しようと考えます。独自の路線で突き進むことは、足並みの乱れが生じる時のリスクが大きいため、一般的には行わないものです。業績の良い企業に対しては、他行より貸出を増やそうとしますが、不良債権先ないし不良債権予備軍先には、極力他行に貸出をシフトするか、支援を続けたとしても他行並みということが常道になっています。 金融機関の顧客交渉の第一線である支店・営業店の担当者は、不良債権予備軍の取引先に対して、次の4つのパターンの対応を行います。 これらの企業には、自行庫が他行よりも毎月の返済金額を少なくしたり、担保を開放することなどはできず、貸出担当者は与信管理を徹底しなければなりません。取引先が求めても条件緩和には応じることなく、何とかして自行庫への返済金額を増額し、追加担保を取らなければならないと思うようです。また一般的には、他行が自行の貸出を肩代わりしてくれることを望むことが多いものです。そうすれば与信リスクが軽くなり、自行庫の貸倒引当金も軽減化され■■事前調整時の金融機関の行動パターン(1)与信リスクと引当金負担の軽減化に動く3

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