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第■章バンクミーティングとは何か バンクミーティングとはどのような会議であるのかを理解するために、変遷に触れてみます。 年配の経営者にとって、かつての銀行のイメージは、メインバンクがほかの取引銀行を仕切っていた時代の印象が強いのではないでしょうか。メインバンク制はバブル崩壊とともに消滅しましたが、当時行われていたバンクミーティングは、このメインバンク主導で行われるのが通例でした。 企業のメインバンクが他行に呼びかけて開催し、業績の悪くなったその企業をどう支えていくのかについて話し合う場でした。メインバンクは相反する各金融機関の利害を調整し、その企業の現状を分析・吟味して、無理のない返済計画を立て、各行の合意を得ていました。 メインバンクの力はそれほど大きいものでした。筆者が金融機関に入行した40年前は、メインバンク制のもとで、銀行は取引先企業の資金調達においても再生支援においても、いまとは異なる対応をしていました。金融機関の支店長は地元の名士ですから、地域のお祭りなどに積極的に参加し、多くの寄付金を出し、行員は御神輿を担ぎました。町内会のバスツアーや運動会などにも参加し、支店長はいつも主賓として上座に座って、挨拶などの大役を担っていました。地元企業が資金不足に陥■■■れば支援し、足りなければ各金融機関ごとの支援金額まで大雑把に決めて、別の金融機関にまで貸出の支援依頼をしました。 企業の業績が好調で資金需要が大きくなったときや、年度資金の貸出について、各金融機関の支援シェア、また担保や借入金利までもメインバンクが中心になって、決めることさえありました。 いわばメインバンクがその企業の資金調達の細目まで仕切って、円滑な金融仲介機能まで果たしたわけです。■(2)メインバンク時代のバンクミーティング

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