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 平成11年の初版は、幸いにして江湖の好評を博し、とりわけ、第9回租税資料館賞を受賞したことは、望外の幸せであった。 その後8年を経過したが、その間、法令改正や判例の変遷もあり、各地の大学教授をはじめ多くの方々から是非改訂版をとの声があったところ、株式会社TKC代表取締役飯塚真玄氏のご推挽を得て、これらを織り込んだ改訂版を世におくる。 この8年間に本書の「税法の読み方」や「判例の見方」を演題とした講演は、全国各地で実に100回近くもあり、その受講者は1万3,000人にも上る。 この改訂版は、この講演等における受講者からのご質問や私自身で気が付いた点を添削し、あらたに内容の理解を助けるためにポイントを設け、できる限り、図表も充実させた。 本書の意図するところは、初版発刊の際に、第2代TKC全国会会長松沢智先生から頂戴した「推薦のことば」に尽きるが、重複をお許しいただければ、職業会計人は、リーガル・マインド(法的思考)とリーガル・リテラシー(法律を読み、活用できる能力)を持つべきであるとして、そのための一助となることである。この考え方は、随所に現れているとは思うが、とりわけ、第3章第4節の「公正な解釈のために」と第4章第5節の「判例は実務における攻撃防御の強力な武器」に集約されている。 納税義務の適正な実現は、税理士の使命であることはもち論、税務職員の使命でもあり、この両者の使命は、法律解釈を通して究極的には一致する。改訂に当たって〔改訂新版の序〕

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