平成19年の改訂新版の上梓から早や6年の月日が経過した。その間、毎年のように税制改正が行われ、また、これまで税に関して支配的であった考え方を根底から覆す判決もいくつか見受けられる。 本書は、基本的な税法の読み方と判例の見方について解説しているものであるから、上記の税制改正や判決の動向によって直ちに影響を受けるものではないが、例示の引用条文等をもっと多くして欲しいとか、最新の引用条文にして欲しいといった要望が税理士や税法学担当教授等から寄せられており、かねてから、これに応えたいと考えていたところであった。今回、その機会を得て、本書の内容を一新することができるのは、誠に幸せである。 今回の改訂に当たっては、読者の理解の容易化のために例示の引用条文をさらに多くし、その際、従前からの引用条文のほか、法人税法の条文をなるべく多く引用するように心掛けた。また、判例の見方については、本書でいわんとしていることが読者に直ちに伝わることを願い、引用判決を入れ替えた。 さらに、初心者の方々にも理解し易くするため、平易な表現となるように心掛けたが、本書の性質上、限界があることを了解されたい。 世に条文の読み方に関する著書は数多く出回っている。しかし、それらの多くは、当然のことながら税法に限定されたものではなかったり、また、税法条文に限定されたものであっても、理論面及び技術面の両面から解説したものは少ない。ましてや、判例の重要性にまで触れたものは殆ど見当たらない。 本書は、税法学に関する研鑽を志す学徒をはじめ、現職の税理士、税務職員の要請にも十分に応えることができる程度の高い内容を含んでい改訂に当たって
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