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1 条文の特色を知る 条文の読み方のルールとコツの一つ目は、「法令文の特色を知る」ことです。 条文(法令文)は、法規範を文章化したものですから、その文章構造に小説やエッセイなどは異なる特色があることは当然です。要するに、対象とする事象を論理的に整理し、一切の無駄を排除して、要件と効果、権利義務関係等を簡潔明瞭に表現しようとしているのです。 ただ、一切の無駄を排除して簡潔明瞭に表現すれば、理解し易い文章になるかといえば、実はそうでない場合も多いのです。順次説明します。 この無駄の排除には、「形式的な表現上の重複の排除」と「実質的に94 法令は、要件と効果、権利義務関係等を簡潔明瞭に文章化したものであって、原則として解説や説明はしません。したがって、基本的な知識を持たずにいきなり読んで、すんなりと理解するのは、特に難解とされる税法の場合、かなり難しいといえましょう。  しかし、条文の読み方のルールとコツを知れば、簡単にその内容を読み取ることができます。一見、複雑に見える条文も、結局は、主語、目的語と述語に、条件句や修飾句、ただし書、各号列記、後段、かっこ書等が付け加わったものに過ぎません。  このルールとコツの一つ目は条文の特色を知ること、二つ目は条文を単純化して大筋を把握し、しかる後に細部に入ること、三つ目は立法技術を理解して文脈把握に利用し、句読点などの約束事を知り、法令独特の用語を知ることです。法令の読み方──大筋の把握から細部へ第3節

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