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 職業会計人は、それが租税法という法律を実践する職業である限り、「租税正義」という旗標をもつ「法律家」でなければならない。これは、私の長年の主張である。 そして、職業会計人は、仮にも税務当局の法の解釈に誤りがあれば、断固これを指摘してその是正を求め、ひいては広く社会における税制に関して啓蒙し、世論を指導してこそ、単なる「税務の専門家」ではなく、「法律家たる税理士」としての誇りを持って職務に当たることができるといえよう。 そのためには、職業会計人がリーガル・マインド(法的思考)とリーガル・リテラシー(法律を読み、活用できる能力)を持つ必要がある。 幸い、TKC税務研究所の伊藤義一君は、長年にわたり大蔵省主税局に勤務して税法改正の立案作業に従事したという経験を踏まえ、この度『税法の読み方 判例の見方』を上梓された。 本書を、ひろく職業会計人諸君に推薦する。 是非、本書からリーガル・マインドとリーガル・リテラシーを得るに至る糸口を掴み、そして、「法律家たる税理士」の立場の確立と租税正義の確立に資することを願ってやまない。 平成10年12月吉日TKC全国会会長・弁護士日本大学大学院法学研究科講師松 沢 智 推薦のことば

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