sample9244_57129
23/42

などと規定していません。簡易課税制度の適用を受ける・受けないは納税者の任意ですから、これは、当然のことです)。 また、国税通則法第10条第2項の規定は、期限について適用があるのであって、期限でないものには適用されません。ということは、簡易課税制度選択届出書を提出しようとする事業年度末が日曜日である場合に、仮にその翌日の月曜日に提出すれば、それは、その事業年度末までに提出したことにならず、翌事業年度に提出したことになり、その結果、簡易課税制度は翌々事業年度からしか適用されないということになります。 このような誤りを犯して、税理士が顧問先から損害賠償請求を受けたケースが非常に多いのです(拙著「税理士の民事責任とその対応策」298頁)。(2)解説を自分勝手に解釈してはいけない 上記の失敗例は、解説を自分勝手に解釈したことが原因です。解説に書かれていることは、その額面どおりに受け取らなければならず、書かれていることを超えて解説を解釈してはいけないのです。 解説に書かれていないことについて答えが必要なときは、その根拠である条文を解釈しなければなりません。そこに、根拠条文を読む必要性があるのです。根拠条文を読まずに解説等のみに頼って解釈をすると、上記のような誤りを犯すことになります。(3)通達を読むときは必ず条文に当たること 先にも触れましたが、通達も、一種の解説です。そして、通達は、税法の条文が理解されているという前提で書かれています。ということは、条文に書かれていることで、国税庁長官として付け加えることが何もなければ、特に改めて通達で取り上げることはしないのです。したがって、条文を読まないまま通達だけを読むと、理解しなければならない重要な部分が欠落していることもあるのです。 以上のことから、解説や通達を読む際には、併行してその根拠条文を序 章  「法令を読み解く力」「判例を活用する力」を養うことがなぜ必要か5

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る