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 本書は、序章「法律家たる税理士のために」に続き、第1章が「税法の構成」、第2章が「法令解釈の必要性とその原理」、第3章が「税法の読み方」、第4章が「判例の読み方」となっている。 まず、第1章に「税法の構成」を書くこととしたのは、税法を解釈するためには、国税通則法等の共通法と所得税法等の個別各税法との関係を理解し、何がどこに書いてあるかということと、何と何とを検索しなければならないかということを知る必要があるからである。第2章及び第3章は、これらを踏まえた上で、解釈に際しての基本的態度と技術、即ち考え方の柱とコツが書かれている。第4章は、判例の重要性、判例を読むときの基本的態度、判例の射程範囲、予測等について書かれている。 本書は、税理士先生を念頭に置いて書かれているが、税理士を目指す学生諸君はもちろんのこと、現職の税務職員にとっても有益な書となると考えている。 本書が、税法を容易に読みこなして正しく理解し、かつ判例を正しく読んでその射程範囲を知り、具体的事件に適用するための一助となり、ひいては法律家としての税理士の立場を確立し、租税正義に資することができれば幸いである。 本書について、幾多の貴重なアドバイスとご示唆を下さった多勢陽一先生、平山紀美子先生、東郷毅志先生、単行本として出版することをお勧め下さった株式会社TKC飯塚真玄社長、それに私の堅い文章を読みやすく平易な記述にして下さったTKC出版中村秀樹課長に感謝の意を捧げる。 平成10年12月吉日著者しるす 

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