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4死亡した者の所得税の繰戻し還付38 給与所得者で年の中途で死亡退職した人は、退職の時に年末調整を行うこととなります。 年末調整は、通常、その年の1月1日から12月31日までの間に支払いの確定した給与の総額を対象として行います。しかし、年の中途で死亡した人は、その年の1月1日から死亡した時までに支払いの確定している給与の総額を対象として年末調整を行います。年末調整の手順としては、通常の年末調整と変わりありません。 この場合に留意すべき点は、死亡した月の給与の額が生存中の期間に対応するものであるとしても、死亡後に支給期が到来するものについては、年末調整の対象から除かれることです。 なお、年末調整の対象から除かれた給与と退職金は、被相続人の遺族が相続により取得するものに該当しますので所得税は課されません。ただし、この給与や退職金の額は、相続税の課税価格計算に含めなければなりません。【第2章】準確定申告の概要(1)相続開始年に純損失が発生した場合 被相続人の死亡の年において発生した純損失は、前年の所得税について青色申告書を提出している場合には、原則として準確定申告期限までに青色申告書と「純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求書」を同時に提出することにより、前年分の所得税について純損失の繰戻し還付請求をすることができます。(2)相続開始の年の前年に純損失が発生した場合 相続開始の年の前年において発生した純損失は、前年と前々年の所得税について青色申告書を提出している場合には、まず相続開始の年の所得から純損失の金額を控除し、控除しきれない純損失の金額については、相続開始の年の前々年の所得税について「純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求書」を準確定申告期限までに提出することができます。3年の中途で死亡退職した者の準確定申告

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