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●15■■■■■■■■■■■■■■ばかりでなく、その後「静態論」と呼ばれる会計思考の基礎となりました。決算書の報告先は経営者自身(自己報告) 決算書の本質的な報告先は、投資家や株主などの利害関係者ではなく、経営者自身(自己報告)です。サヴァリーは、「会社を結成していないから、いかなる財産目録も作成するには及ばないという人たちがいたなら、馬鹿げてはいないだろうか。……、整444444444444ことが義務づけ理、調整するために、自分自身に説明し報告するられていないだろうか」(傍点は坂本)と喝破しています。これは格別に重要な指摘です。商法典は、利害関係者がいない事業者にも決算書作成義務を課しています。その理由は、経営者への自己報告にこそ簿記会計の本質的な目的があるからです。会計で会社を強くする  簿記・会計先覚者の金言集・解説❷*1 岸(1988)196頁。*2 岸(1988)220頁。*3 岸(2007)527頁を参照。ジャック・サヴァリー(Savary,Jacques、1622−1690年)フランスのアンジュー地方のドイレに生まれる。ルイ14世のもと、財務総監コルベールの命を受け、商法典編纂に参画し、その起草に当たった。かくしてなったのがフランス商事王令である。1675年彼は本王令の注釈書Le parfait negociant(『完全な商人』)を出版した。これは以後1777年まで幾多の版を重ね、独、英、伊、蘭の各国語に訳され、商業学の古典となった*3。

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