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中小企業経営者の皆さん。あなたの会社は他社との競争を勝ち抜くため、どのような経営上の「武器」をお持ちでしょうか。独創的な技術開発力、インスピレーションあふれる企画力、粘り強い営業力、パートナー企業との強固なビジネス・ネットワーク力など、皆さんの会社には様々な武器があると思います。でも、それだけでこれからの困難な時代を乗り切ることができるでしょうか。本書において、私が皆さんにぜひ知っていただきたいのは「会計」が持つ大きな力です。この「会計力」を身に付けることによって、皆さんの会社の足腰は確実に強くなります。従来の技術力や営業力などに加え、会計力という新たな武器を手にした会社は、「虎に翼」ともいうべき強大なパワーを発揮できるようになるでしょう。本書では、その理由を細かく説明していきますが、その前に過去を少し振り返り、会計力が企業経営にとっていかに重要かを洋の東西の事例で示してみましょう。まず江戸時代の日本を見ると、当時からすでに高度な商業経済が発展し、南は九州から北は蝦夷地(北海道)まで広範囲な交易が行われていたのは皆さん、ご存じのとおりです。そんな中で大いに活躍したのは、近江の国(滋賀県)出身の「近江商人」と呼ばれる人たちでした。近江商人は、京都・大坂・江戸の三大都市に進出して金融業や醸造業などを展開。そはじめに  9 

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