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4第1節利)である。(1)本来の相続財産とみなす相続財産との差異① 相続財産(本来の相続財産)とは、被相続人に属していた一切の財産(権 1 相続税のみなす相続財産 生命保険金等は、相続により取得するものではないので、本来の相続財産ではない。ところで、相続税法においては、個人が取得した生命保険金等一定のものについては、その経済的な側面に着目し、相続税の課税対象財産としている。  被相続人が契約し、かつ、その保険料等を被相続人が負担していたものであっても、保険金(生保・損保)、退職金、契約に基づく個人年金等は、被相続人から「相続」によって取得するのではなく、これら保険金等の取得者が、契約等により原始的に取得するものとされていることから、相続税法では、これらを相続財産とみなして相続税の課税対象としている。② みなす相続財産は遺産分割の対象とならず、また、相続を限定承認した者、相続を放棄した者又は相続権を失った者がこれらのみなす相続財産を取得しても、被相続人の負担に属している債務の弁済を強いられることはない(相法3条1項1号の編者注5-4②、③、④・P130参照)。③ みなす相続財産を取得した者が、その財産の全部又は一部を任意に他の相続人等に分配すると、単なる金銭等の贈与となり、相続税の他に贈与税の課税対象ともなる。 このような場合には、遺産分割協議書において代償金として位置づけ、代償金の支払として処理することにより贈与税の課税対象外とすることができる(相法3条1項1号の編者注5-4⑤・P131参照)。生命保険金等・みなす相続財産に対する相続税の課税

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