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2)会社を経営、または自営業の場合6(3)遺産分割の際にどのような点が問題になりやすいのか遺産分割で問題になる場合には、いくつかのパターンがあります。そこで、財産関係と人間関係に分けて見ていくことにします。①財産関係編1)財産の大半が不動産の場合遺産のすべてが現預金の場合、相続人同士で分け合うのは簡単です。しかし、そのような例はほとんどありません。遺産の割合として大きなものでは、土地や建物、預貯金、株式などがあり、小さなものでは、自動車や貴金属、骨とう品などがあります。問題となりやすいのは、遺産の大半が土地や建物の場合です。土地や建物は、単純に分割することができないからです。土地を細切れにしても利用価値が低下する可能性があります。分割せずに土地や建物を共有財産として所有することは可能ですが、将来、増改築や売却などの事情が生じた場合、増改築費用の負担割合や売る・売らないで所有者間でもめる可能性があります。また、相続人が死亡した場合には、雪ダルマ式に所有者が増加していくため、権利関係が複雑になっていく恐れがあります。安定的に事業を継続するためには特定の相続人が株式の大半を所有し続けることが不可欠です。遺産の大半が自社株や事業に必要な動産であった場合、事業を引き継ぐ相続人が、他の相続人に事業の価値に見合う金銭を支給するだけの資力があれば問題はありません。しかし、優良企業であるほど自社株の評価額は高額となるため、相続人の間に金銭的な不公平感が生まれやすくなります。

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