9「方向性」が正しいかどうか確認してみることが必要です。この公式が足し算でなくかけ算であることに「醍醐味」と「怖さ」があります。一つでもゼロまたはマイナスがあれば、他が100点満点であろうと、ゼロ以下になってしまうのです。いくら、方向性が正しく、具体的なノウハウがあろうと「やる気」が欠けていたら(すなわち、やる気がゼロまたはマイナスであったら)成果は生まれません。また、「自分は一生懸命やっているが成果が出ない」という人がいますが、例えば、料理店であれば、味の良さは当たり前。サービスや雰囲気もお客様からの判断要素になります。しかし、雰囲気が悪いことに気づこうとせず、また、気づいても正そうとせず、味だけをもっと良くしようと努力するだけだったり、「俺の腕は一番」と天狗になっていたりしたら、うまくいくはずがありません。なぜなら、努力の方向性が違うからです。自分がお客様になったつもりで、自社の長所や短所を判断し、長所をもっと伸ばすことが大切なのです。このほかに、「聞く耳を持たない」経営者も困りものです。そのような方々の口癖は次のようなものです。ここで、このような方々の処方箋としてひとつ「ベンチマーキング」という手法を紹介しましょう。「ベンチマーキング」とは、他社のベストプラクティスを謙虚に学び、それを自社に適用して経営改革を行う手法です。自社内で気づいた点を改善するだけでは、「経営改善」のレベルですが、「ベンチマーキング」により、自社の課題や弱点に気づいて、自社のマネジメントシステム等を改革した場合には「経営改革」といっていいレベルでの革新を図ることができるのです。もっとも、経営者ご本人が「素直」にならなければ気づくこともないでしょう。• 「うちの業界ではできないよ」• 「うちの会社では無理だ」
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