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i新型コロナウイルス感染症による感染拡大防止と社会経済活動の両立への対応が引き続き求められています。令和4年度税制改正においてもこの対応に重点が置かれています。令和3年10月に発足した岸田内閣は「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトに新しい資本主義の実現に取り組むこととし、その実現に向けた税制改正としています。法人税では、積極的な賃上げ等を促すため、大企業についてはマルチステークホルダーに配慮した経営への取組の宣言を要件として、継続雇用者給与等支給額及び教育訓練費を増加させた企業に対し、税額控除額を雇用者給与等支給増加額の対前年度増加額に対して最大30%に拡大しました。中小企業については、雇用者給与等支給額の対前年度増加額に対して最大40%の税額控除と思い切った拡充がなされています。その他、オープンイノベーション促進税制の拡充、5G導入促進税制の延長などが行われています。また、少額減価償却資産を大量に取得して貸し付けることによる節税スキームに対応するため、主要な事業として行われるもの以外の少額減価償却資産の貸付けについては即時償却や一括償却をできないこととする改正も行われました。消費税では、令和5年10月のインボイス制度スタートに向けて、適格請求書発行事業者の登録制度の見直し、仕入明細書等による仕入税額控除の適用要件の見直し、電子区分記載請求書による仕入税額控除の経過措置等が措置されました。所得税では、記帳水準の向上等に資するため、帳簿の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の整備や証拠書類不提示・仮装必要経費の損金不算入などの措置が導入されています。また、受取配当についても、資本の払戻しに係るみなし配当の計算方式の見直し、受取配当等の源泉徴収制度の見直し、上場株式等の配当所得等の住民税課税方式の見直しなどが行われました。相続税・贈与税では、住宅取得等資金贈与の非課税措置の縮小・延長、非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度に係る特例承はじめに

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