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A  多様な社会にあってさまざまな課題がある中で、その課題解決には市場原理や公的支援だけでは補うことができず、そこには非営利法人が必要となっています。一般に、「市場の失敗」と「政府の失敗」と説明されることが多いです。この理論について説明します。市場は、食料品や衣服、自動車、娯楽など個人的に消費されるものを扱う上では非常に優れています。このような品物は、市場において消費者という需要と、企業などによる供給が価格メカニズムを通して適切に調整されます。しかし、このような市場原理だけでは十分に供給できない財やサービスが世の中にはたくさんあります。震災が起こったときに、適切に被災者に支援物資を届けることは市場原理ではできません。障害者、ひとり親などの弱者への適切なサービスや、引きこもりなどの社会的課題も、解決するには市場だけでは限界があります。このようなものを補うのが政府の役割の一つです。しかし、政府だけに頼ることにも限界があり、民間の支援も必要といわれるゆえんです。0081.市場の失敗「市場の失敗」とは、市場原理に任せておくと、必要な財やサービスが世の中に供給されないことをいいます。2.政府の失敗「市場の失敗」を補うものとして政府がありますが、政府が取り組む事業というのは、税金を原資にしていますから、その使途は世の中の多数から支持を受けているものである必要があります。つまり、世の中の多数の人から支持を受けていないものは、たとえ重要な課題であったとしても取り組むことが難しいのです。例えば、LGBT(性的少数者)や不登校、発達障害など、最近はマスコミなどでも取り上げることが増え、理解が広がっていますが、少し前までは、多くの人は、ほとんど理解がなかったのではないでしょうか。こういう問題を政府が真正非営利法人は、なぜ必要なのでしょうか。非営利法人の必要性QQ0303

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