vii 平成17年、会社法制の現代化を図る観点から、商法の抜本的改正が行われました。そして、新たに「会社法」が同年6月に成立し、翌18年5月から施行されています。 周知のとおり、会社法では、最低資本金制度の撤廃等の会社設立に関する規制緩和をはじめ、定款自治の範囲の拡大が大きくクローズアップされ、会社の機関設計や株式制度等に関して、非常に自由度の高い内容となっています。 その一方、企業の社会的信頼性向上の一環として、「適時かつ正確な会計帳簿の作成」が義務づけられ、主として中小企業における計算書類の正確性を担保するために「会計参与」制度が新たに導入されました。 会社法の施行が中小企業の経営に大きな影響を及ぼすことはいうまでもなく、我々TKC会計人は、関与先企業における会社法の戦略的活用を支援するとともに、記帳要件等の法的義務の確実な履行に配慮する必要があります。 また、会計参与が計算書類等の作成に当たって準拠すべき会計のあり方として「中小企業の会計に関する指針」が、平成17年8月に公表されました(18年4月に改正)。 この「中小企業会計指針」は、会計参与がその職務を全うするためのみならず、中小企業において計算書類を作成するに当たっても、準拠することが望ましい指標とされています。今後、この指針に準拠した計算書類であるかどうかが、金融機関、取引先からの信頼を得る上での大事な要素となっていくことが予想されますから、TKC会計人は指針の内容に十二分に習熟しておくとともに、関与先企業への普及に尽力することが求められます。 今般、新「会社法」の施行、商法・税法等の改正、「中小企業会計指針」の導入など、法令・会計制度の整備・見直し、及びこれらに対応して改訂された『TKC会計人の行動基準書(第三版)』を踏まえて、『TKC基本講座』発刊に当たって第3版の発刊に当たって
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