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こ処TKC全国会創設者・初代会長 飯塚 毅日本職業会計人の体質改善 こんにちまで、全国各地の国税局管内で、われわれは調査省略・申告是認のほとんどがうまくい取り扱いを受け得る事務所群の構築を図ってきましたが、その殆ったとは言えないでしょう。その理由は何でしょうか。 人によって見解は違うと思いますが、私は、その理由というか、原因なるものは第1に国税当局が、行政の中だけでそれを実現しようとしていたこと。換言すると、法そのものが社会形成力(Sozialgestaltungsmacht)を本来もっているのだ、との見解を欠いていたために、立法活動との連動の中で、この問題を位置づけてゆくとの姿勢を欠いていたことにある、と思います。 例えば、税理士法第45条の「真正の事実」を、懲戒原因としてのみ捉えるのではなしに、正面から「真正の事実」を探究すべきことを税理士の義務として位置づけ、直接税に関しては巡回監査を義務づける法条を設けること。そして、イギリスのように、被監査企業が税務又は会計の監査人に、虚偽の資料を呈示したり誤判断を誘導するような申し立てを行ったときは刑罰を科すという法条を設けること。こういう立法活動との連動の中で、理想の会計人集団を構築してゆく、との見識と行動とを欠いていた、ということです。いたずらに制限する 第2の原因は、税理士や公認会計士や更に監査法人などの数を、徒方針を政府が執っており、その方針の致命的欠陥に気付いていないことです。例えば、米国では公認会計士の有資格者は約25万人、その内実務についている者は約10万人。大体3分の2近い公認会計士が実務に入り込めずに、会社の経理課長とか部長とかになっている。ドイツの税理士数は約4.5万人。日本と比較すそには、激ると人口比からみて2倍、企業数を勘案すると約4倍の比率です。其烈な自由競争が展開されています。日本は従来、会計人の数を制限することで、逆に過保護となり、多くの堕落した会計人を作ってしまったのが現状です。政府は、真正の会計人と呼ぶに値いしない者を、大胆に排除してゆく、との方針転換を図る必要があります。それは会計人の大増員であり、懲戒事案の果敢な遂行でなければなりません。 第3の原因は、税理士法第33条の2の添付書面を「申告書に添付することができる」としながら、法第46条で「添付する書面に虚偽の記載をしたとき」を懲9

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