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xiv2. 巡回監査 「巡回監査」は当初、税理士法上の相当注意義務を果たすという目的で行われてきましたが、近年においては、この目的のみならず、関与先はじめ金融機関、国家機関等から、経営支援、財務情報の信頼性確保、中小企業政策の適正な実現といった社会的要請に対応していくために不可欠なものとして、大いに期待が高まっています。3. 書面添付 TKC会員が行う「書面添付」は、毎月行われる「巡回監査」と不可分のものであり、基本約定書・完全性宣言書・証明三表に見られるような高度な理論構成により法令の規定不足を補う形で体系化され発展を続けてきました。これによって近年では株式会社TKCが発行する記帳適時性証明書と合わせて、中小企業の会計帳簿の証拠能力を格段に高め、これに基づく決算書の信頼性を確保することに大きく貢献することとなりました。このことは、TKC会計人が行う「書面添付」が、中小企業の決算書の品質を会計専門家として保証する行為として位置付けられるようになってきたことを意味しています。4. TKCシステム誕生の背景と開発思想 飯塚初代会長は、終戦翌年の昭和21年(1946年)に会計事務所を開業し、20年後の昭和41年にコンピュータセンターである株式会社TKCを設立しました。飯塚初代会長が畑違いの分野であるコンピュータセンターを設立した背景には、戦後の混乱期における日本の租税制度と税理士制度のエポックともいうべき「申告納税制度の導入」(昭和22年)、「シャウプの税制勧告公表」(昭和24年、25年)、「書面添付制度の創設」(昭和31年)等の出来事がありました。面添付」等とが日常業務として行われ、これらの品質向上を限りなく追求することで、その使命貫徹の活動が展開されてきました。 TKC理念実践のための巡回監査・書面添付といった活動は、TKC会員が単独で行えるものではありません。TKC全国会と株式会社TKCの存在が車の前輪と後輪のような関係を保ちながら、TKC会員の活動を底辺から支えてきました。

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