適時・正確な記帳、月次決算、中小会計要領の適用等の基本となる考え方を示す古今東西の簿記・会計先覚者の「金言」を収録。「会計で会社を強くする」の信念の源流がここにある。
適時・正確な記帳、月次決算、中小会計要領の適用等の基本となる考え方を示す古今東西の簿記・会計先覚者の「金言」とその解説を収録したものです。
第3版では、新たにジョン・ロック(哲学者、政治思想家)、ダニエル・デフォー(小説家)、アーサー・ハロルド・ウルフ(弁護士)、J.F.シェアー(商業学権威者)、上野道輔氏(東京大学教授)の5人を加え、計25の金言を掲載。
簿記・会計実践の当事者である経営者や企業で会計職に就かれている方々に『会計で会社を強くする』という思考を深めていただける書です。
著 者 坂本孝司(税理士・米国公認会計士)
規 格 四六判 127頁
発行日 2024年7月29日
ISBN 978-4-905467-69-4 C2034
目次
1.すべての自らの取引を秩序正しく適切に処理する。秩序のない処では、すべては混乱に陥る。
── ルカ・パチョーリ
2.商人が帳簿を備えることは、商人の事業をよく遂行していくために有利なことである。
── ジャック・サヴァリー
3.すべての紳士が商人簿記を完璧に学ぶとともに、「商人簿記はその名称が商人から由来し、主として商人によって実践されているので、自分たちに関係のない技術である」と考えないように忠告したい。
── ジョン・ロック
4.正確な簿記は、その事業に心を砕き、繁栄しようとする人間の現象である。
── ダニエル・デフォー
5.複式簿記が商人にあたえてくれる利益は計り知れないほどだ。
── ゲーテ
6.だらしない記帳は、破産者の特徴である。
── ヴュルテンベルク王国
7.(商業帳簿によって)商人は、その業務のすべての状況を観察するようになる。
── フランクフルト国民議会による1849 年ドイツ帝国 司法省商法草案(別名:フランクフルト草案)
8.商人の簿記というものは、商人あるいは専門的知識を有する第三者が、財産状態の全容を、必要に応じて、いつでも把握できるような性質のものでなければならない。
── ドイツ帝国裁判所
9.文明は商業の親であり、会計は商業の子供である。したがって、会計は文明の孫に相当する。予防は治療に優る。
── アーサー・ウルフ
10.秩序が経営感覚を鍛える。
──ヴェルナー・ゾンバルト
11.会計はすべての企業に対して、過去についての間違いのない裁判官であり、現在についての必要な指導者であり、未来についての信頼できる相談相手である。
── J.F. シェアー
12.合理的な資本主義的経営とは、その収益を、近代的な簿記という手段や決算書の作成などによって、計数的に管理する営利経営をいう。
── マックス・ウェーバー
13.月次損益計算は経営の成行を速く注視し得るものである。
── オイゲン・シュマーレンバッハ
14.資本主義的行動は貨幣単位を合理的な費用=利潤計算の用具に転化せしめる。複式簿記こそはその高くそびえる記念塔である。
── ヨーゼフ・シュンペーター
15.年度決算書による時宜を得た商人の自己報告は、商人自身や債権者保護のために支払停止の回避を目的としている。
── ウルリッヒ・レフソン
16.記帳義務及び貸借対照表作成義務は、まず第1に事業の自己報告に、さらにそれを越えて債権者保護に役立つとの思考がある。
── クラウス・ティーデマン
17.いまなお、普遍性を持ったまぎれもない「マネジメント科学」と呼べるものは、複式簿記とそこから派生した手法だけである。
── ピーター・ドラッカー
18.萬の事に付て、帳面そこそこにして算用細かにせぬ人、身を過るといふ事ひとりもなし。
── 井原西鶴
19.商売に一大緊要なるは、平日の帳合を精密にして、棚卸の期を誤らざるの一事なり。
── 福澤諭吉
20.商業帳簿の規定は、その国における事業経営に確実で一般的な保護を与え、資本の浪費を予防することが求められる。
── ヘルマン・ロエスエル
21.少しもごまかしのない、一厘一毛もごまかしてはならないという、原理原則が確立されなければ、本当の意味の我が国経済の再建は期待できない。
── 上野道輔
22.毎月の財務計算と経営計算結果の吟味と弱点発見に時間をかけよ。
── 飯塚 毅
23.会計がわからなければ真の経営者になれない。
── 稲盛和夫
24.中小会計基準のもつ社会的意義は、中小企業経営者の意識改善に向けられている。
── 武田隆二
25.経営者にとって「変動損益計算書」は死活的に重要である。
── 飯塚真玄